遺品整理・実家片付けやさしい実務解説

遺品整理は自分でできる?業者に頼む範囲を決める目安

遺品整理を家族だけで進めるか業者へ頼むか迷う方へ、物量、期限、距離、安全面から判断し、自分で行う作業と依頼する作業を分ける方法をやさしく解説します。

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実家のリビングで残す箱と確認する箱を分ける姉妹
目次
  1. まずは「片付ける量」より「判断する物」を見ます
  2. 自分たちで進めやすい作業
  3. 業者へ相談したほうが負担を減らせる作業
  4. 家族と業者の作業を分ける三つの方法
  5. 費用を抑えたいときに先にできること
  6. 無理をしないことも、家をきちんと整理する方法です

「できるだけ家族で片付けたい。でも、最後まで続けられるだろうか」

遺品整理を始める前は、多くの方がこの間で迷います。費用を抑えたい気持ちがある一方で、重い家具や大量の衣類を前にすると、どこまで自分たちで行えばよいのか分からなくなるものです。

全部を家族で行うか、全部を業者へ任せるか。二つに一つを選ぶ必要はありません。家族にしか判断できないことは自分たちで行い、体力や車両が必要な作業は相談する。この分け方なら、費用と負担の両方を考えられます。

遺品整理を自分で行う作業と業者へ相談する作業に分ける図
思い出や重要品の判断は家族で、搬出や大量処分は無理をせず相談します。

まずは「片付ける量」より「判断する物」を見ます

部屋いっぱいの荷物を見ると、すぐに袋へ詰めたくなるかもしれません。けれども、最初に家族が行いたいのは、物を減らすことではなく、残す物を見つけることです。

たとえば、次の物は業者を呼ぶ前に家族で確認しておくと安心です。

  • 通帳、印鑑、保険証券、契約書、権利証などの重要書類
  • 現金、貴金属、鍵、カード類
  • 写真、手紙、位牌、形見として残したい物
  • 借り物や、親族へ返す予定の物
  • 中身を確認していない引き出しや箱

すべての価値をその場で決められなくても大丈夫です。「残す」「家族へ確認する」「処分候補」の三つに分ければ、作業を先へ進められます。

家族へ確認する物は、箱の外側に判断する人の名前を書き、写真も残しておきましょう。「誰かが見るだろう」と曖昧にすると、いつまでも保留になりやすいためです。

自分たちで進めやすい作業

時間と体力に余裕があり、家へ通いやすい場合は、次の作業を家族で進めやすいでしょう。

書類と小さな物の仕分け

机、棚、押し入れを一か所ずつ開け、重要書類と形見を探します。一つの部屋を全部終えるより、「今日は机の引き出しだけ」と範囲を小さくしたほうが疲れにくくなります。

自治体の分別で出せる物の整理

衣類、紙類、食器など、自治体の通常収集で出せる物は、地域の分別方法に従って少しずつ出せます。収集日や一度に出せる量は市区町村で異なるため、公式案内を確認してください。

家族へ渡す物の梱包

誰が何を受け取るか決まっている物は、送り先ごとに箱を分けます。箱を閉じる前に中身を撮影しておくと、後から確認しやすくなります。

ここまでなら、思い出を確かめながら自分たちのペースで進められます。

業者へ相談したほうが負担を減らせる作業

では、どのようなときに業者へ相談するとよいのでしょうか。目安は「物が多いか」だけではありません。

状況 相談を考えたい理由
大型家具や家電が多い 搬出経路、解体、車両、人手が必要になる
階段や狭い通路がある 転倒や壁・床の破損に注意が必要になる
退去日や引渡し日が決まっている 家族だけでは期限までに終わらないことがある
遠方で何度も通えない 交通費と移動時間が積み重なる
物置、庭、車庫まで残っている 室内とは別の道具や車両が必要になることがある
家族が高齢、または持病がある 重い物や長時間作業が体の負担になる

一つでも当てはまれば、すぐ契約するのではなく、まず見積もりを取ってみる方法があります。金額と作業範囲が分かれば、「大型家具だけ頼む」「仕分けは家族で行い、搬出を任せる」といった分け方も考えられます。

家族と業者の作業を分ける三つの方法

1. 仕分けは家族、搬出と処分は相談する

残す物と処分候補を家族で分け、運び出し以降を頼む方法です。大切な物を自分で確認しながら、体力のいる作業を減らせます。

ただし、家庭から出る廃棄物を誰が運ぶのかは確認が必要です。環境省は、家庭ごみを収集・運搬できるのは、市区町村の一般廃棄物処理業の許可を受けた業者、または市区町村から委託を受けた業者だと案内しています。

2. 一部の部屋や大型品だけ相談する

台所や寝室は家族で行い、物置や大型家具だけ相談する方法です。見積もりでは、頼む部屋と頼まない部屋をはっきり伝えます。

「一式」ではなく、タンス二棹、冷蔵庫一台、物置一か所のように書いてもらうと、追加料金の条件を確認しやすくなります。

3. 探してほしい物を伝えて仕分けから相談する

遠方に住んでいる、時間が取れない、家の中に入ること自体がつらい場合は、仕分けから相談する方法もあります。

その場合は、通帳、印鑑、写真、権利証など「見つけたら作業を止めてほしい物」を一覧にします。口頭だけでなく、写真や紙で担当者へ渡しておくと伝わりやすくなります。

費用を抑えたいときに先にできること

費用が心配なら、何でも自分で運び出す前に、次の準備から始めてみましょう。

  • 残す物と探す物を先に分ける
  • 作業してほしい部屋を決める
  • 家の前に車両を停められるか確認する
  • エレベーターや管理規約を確認する
  • 自治体回収を利用する物を分ける
  • 複数の相談先へ同じ条件を伝える

自分で片付けた量が多ければ必ず安くなる、とは限りません。袋へ混ぜてしまったために再仕分けが必要になったり、搬出しにくい場所へ家具を動かしたりすると、かえって作業が増えることもあります。

分からない物は動かさず、現地を見てもらったうえで「家族が行う部分」を相談するほうが確実です。

無理をしないことも、家をきちんと整理する方法です

遺品整理では、思い出を確かめる時間と、家を空にする作業の両方が必要です。家族にしかできない判断へ力を残すために、重い物の搬出や期限のある作業を頼むのは、手抜きではありません。

まずは、残したい物、家の広さ、荷物の量、希望する期限を整理します。その内容を同じ条件で伝えて見積もりを取れば、自分たちで行う範囲と頼む範囲を比べられます。

参考にした資料(2件)

作業内容、料金、処分方法は事業者や地域、家の状況によって異なります。契約前に見積書で確認してください。