空き家になった実家の郵便物はどうする?転送と住所変更の順番
空き家になった実家の郵便物について、日本郵便の転居届、転送期間、転送不要郵便、亡くなった人宛て郵便を分け、差出人への住所変更と郵便受けの巡回を進める方法を解説します。

目次
実家が空き家になると、固定資産税、保険、銀行、公共料金、病院、通販など、さまざまな郵便物が届き続けます。郵便受けがあふれると重要な通知を見落とすだけでなく、留守であることが外から分かりやすくなります。
まず転居届を出せばよいと思うかもしれませんが、転送されない郵便や、亡くなった人宛てで家族へ転送できない郵便があります。転居・転送、差出人への住所変更、故人の相続手続き、現地の郵便受け確認を分けて進めます。
先に郵便物を回収して差出人を一覧にする
実家へ行ったら、郵便受け、玄関内、机、未開封の束を確認します。宛名ごと、差出人ごとに分け、次回届く時期と期限を一覧にします。
| 種類 | 例 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 現在住む家族宛 | 個人の請求・会員通知 | 転居届と差出人への住所変更 |
| 所有者・相続人宛 | 固定資産税、保険、管理通知 | 担当機関へ送付先変更 |
| 亡くなった人宛 | 銀行、年金、契約通知 | 差出人へ死亡・相続手続きを確認 |
| 宛名のない広告 | チラシ等 | 投函抑制と定期回収 |
郵便物の中身を、受取人の了承なく家族全員へ共有しないようにします。個人情報や契約情報は、手続きを担当する人が必要な範囲で管理します。
転居届でできること
日本郵便の転居・転送サービスは、郵便局窓口、ポスト投函、e転居から転居届を提出すると、旧住所宛ての郵便物等を新住所へ一年間無料で転送します。期間は転送開始希望日ではなく届出日から一年で、登録まで3〜7営業日かかると案内されています。
引っ越した本人の郵便を転送する場合は、本人確認や居住事実の確認があります。家族が代わりに出すときの本人確認資料、同居家族の一部だけを転送する場合の記入方法は、日本郵便の最新案内を確認してください。
届出日、受付方法、受付番号、転送期限を記録します。一年後も必要なら再度転居届を出せますが、転送を恒久的な住所管理にしないことが大切です。
転送不要の郵便は差出人へ戻る
日本郵便は、「転送不要」と記載された郵便物等は転居届を出していても転送されないと案内しています。金融機関のカードや本人確認を伴う重要郵便などで使われることがあります。
このため、銀行、証券、クレジットカード、保険、行政機関など、重要な差出人には直接住所変更を行います。転送で一度届いた通知も、封筒の差出人と宛名を記録し、次回から新住所へ送られるよう変更してください。
本人限定受取や差出人指定の条件がある郵便は、家族が通常の委任状で受け取れるとは限りません。差出人と日本郵便へ個別に確認します。
亡くなった人宛ては家族へ転送できない
日本郵便のQ&Aでは、亡くなった本人宛ての郵便物を、家族からの申出で家族へ転送することはできず、差出人へ返還すると案内しています。
故人宛ての郵便を受け取り続けるために、故人名で転居届を出すのではありません。必要な契約先へ死亡の連絡をし、相続・解約・名義変更の手続きを確認します。
- 金融機関の相続窓口
- 保険会社の契約者・受取人手続き
- 年金・行政機関の届出
- 電気・水道・ガス・通信の名義変更または停止
- 定期購入・会員サービスの解約
- 墓地・管理組合・自治会等の連絡先変更
手続きによって戸籍、死亡確認書類、相続人関係書類が必要です。郵便を返還させないことだけを目的にせず、契約そのものを整理します。
税金・自治体通知は担当窓口へ送付先を確認する
固定資産税等の送付先は、転居届だけに頼らず、物件所在地の自治体へ変更手続きを確認します。相続登記が終わる前の代表者届や、納税通知書の送付先変更が必要な場合があります。
自治体から届いた封筒に書かれた担当課へ連絡し、対象不動産、旧名義人、相続人代表者、送付先を伝えます。提出書類は自治体で異なるため、名称を推測せず最新様式を確認してください。
現地の郵便受けは空に保つ
転送を始めても、広告、地域配布物、宅配便の不在票、転送対象外の物が残ることがあります。最初は一〜二週間ごとなど短い間隔で確認し、量が落ち着いたら巡回頻度を見直します。
郵便受けが壊れている、雨が入る、外から中身が見える場合は修繕します。チラシ投函を断る表示を使う場合は、管理者の連絡先や空き家であることを過度に公開しないようにします。
近隣の人へ回収を頼む場合は、封筒を開けず保管してもらう、緊急性のある差出人だけ連絡してもらうなど範囲を決めます。鍵を渡す必要があるかは別に判断します。
郵便管理表を毎月更新する
- 宛名
- 差出人
- 重要度と期限
- 転送で届いたか
- 差出人へ住所変更した日
- 相続・解約手続きの状態
- 次回通知の予定
三か月届かなければ終わりとは限りません。年に一度の税金、保険更新、会費もあります。過去一年分の通帳・メール・書類から定期通知を探します。
宅配便・メール便・新聞は別に停止する
日本郵便の転居届は、日本郵便が取り扱う郵便物等のためのサービスです。他社の宅配便、メール便、新聞、地域の配布物まで同じ手続きで転送されるとは限りません。
定期購入や通販の登録住所、新聞販売店、宅配サービス、病院・薬局、勤務先や会員組織へ個別に連絡します。ネット通販の「既定のお届け先」に実家が残っていると、誤って注文することがあります。家族の各アカウントも確認してください。
置き配指定や宅配ボックスは解除し、不在宅へ荷物が残らないようにします。不在票があった場合は、受取人と送り主を確認し、勝手に代理受取できると判断しないでください。
開封前に宛名と期限を記録する
郵便物を回収したら、封筒の宛名、差出人、到着日、封筒に記載された期限を確認します。故人宛、家族宛、法人・団体宛が混ざっている場合は、受取権限がある人へ渡します。
「重要」「至急」と書かれているだけで不審な請求へ支払わず、差出人の公式連絡先を別に調べます。空き家管理や相続を狙った勧誘もあり得るため、封筒に書かれた電話番号だけで契約しないようにします。
処理後の封筒は、住所変更が完了するまで控えとして保管します。個人情報を含む紙を空き家のごみ袋へ残さず、適切に裁断・処分します。
家族内の郵便担当を一人にする
複数の家族が交互に郵便を持ち帰ると、誰が税金や保険を処理しているか分からなくなります。回収担当と手続き担当を決め、郵便管理表へ受取日と保管者を記録します。
支払期限のある郵便は写真で共有しても、原本の保管場所を明記します。相続書類や本人確認郵便は原本が必要になる場合があります。家族グループへ個人番号や口座番号が見える写真をそのまま送らないようにしてください。
転送期限の一か月前に住所変更の漏れを確認する
転送期限が近づいたら、転送ラベルが付いた郵便をすべて並べ、住所変更していない差出人を探します。年一回しか届かない通知は、前年のファイルや通帳記録から確認します。
再度転居届を出す場合も、届出日から一年という期限を新しく記録します。転送を更新しただけで手続き完了とはせず、住所変更が済んでいない差出人へ、順に連絡します。実家を売却・解体した後も、旧住所宛ての重要郵便が残らないよう、引き渡し前に最終確認してください。
空き家になった最初の30日では、郵便と一緒に鍵、保険、ライフライン、建物点検を整理しています。実家を片付ける前の重要書類も参照し、郵便物を片付けの紙ごみへ混ぜないでください。
転居届は大切な猶予期間を作る手続きです。その一年を使い、届いた郵便の差出人へ一件ずつ正しい住所・名義を登録し直すことが、空き家の郵便管理の完了です。
参考にした資料(3件)
- 日本郵便『転居・転送サービス』2026年8月20日確認
- 日本郵便『転居届で転送されない郵便物等はありますか?』2026年8月20日確認
- 日本郵便『死亡した受取人あての郵便物等を家族に転送してもらえますか?』2026年8月20日確認
転居届は届出日から1年間で、転送不要郵便や亡くなった人宛ての郵便には別の扱いがあります。差出人へ直接変更・相続手続きを行ってください。