相続した実家の売却費用|片付け・解体・仲介手数料の整理
相続した実家を売るときの費用を、売却手続き、仲介手数料、片付け、解体、測量、税、維持費に分けて整理。査定前に手取りを比べる方法を解説します。
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目次
相続した実家を売るとき、「査定額がそのまま手元に残る」とは限りません。仲介手数料、印紙税、登記、家財整理、測量、解体など、物件ごとに必要な費用が違います。売れるまでの固定資産税、保険、管理、交通費も忘れやすい負担です。
費用は、売るために必要な費用、選択によって発生する費用、売却まで維持する費用の三つへ分けると整理できます。最初から全項目を払うのではなく、査定で必要性を確認してから選びます。
売却価格から費用を引いて手取りを概算する
まず、次の形で空欄を作ります。
想定売却価格 − 売却時の費用 − 売るために選んだ作業費 − 売却までの維持費 = 概算手取り
税は取得費、所有期間、特例等で大きく変わるため、別欄にして個別確認します。査定額は成約価格を保証しないので、仲介の想定価格、業者買取価格、売却期間を分けて試算します。
仲介手数料
仲介で売買契約が成立した場合、不動産会社へ仲介手数料を支払います。法令で上限が定められており、実際の金額と支払時期は媒介契約で確認します。
2024年7月1日以降、物件価格800万円以下の「低廉な空家等」では、事前合意等の条件のもと、売主・買主の一方から受けられる報酬上限に特例があります。国土交通省の案内では上限は税込33万円です。
すべての800万円以下物件で自動的に33万円になるという意味ではありません。媒介契約前に、通常計算との違い、調査費等を含むか、税込総額を確認してください。
業者買取では、不動産会社自身が買主となるため、一般的な仲介手数料がかからない形があります。ただし買取価格は仲介の想定成約価格と同じではありません。仲介と買取の比較で、価格と費用を合わせて見ます。
売買契約書の印紙税
紙の不動産売買契約書には印紙税がかかる場合があります。契約金額や軽減措置の期間で税額が変わります。電子契約の扱いも含め、不動産会社へ契約方法と現在の税額を確認します。
税額は、契約時点の国税庁資料で確認してください。
登記・司法書士等の費用
相続登記が終わっていない、登記名義人の住所が古い、抵当権が残っているなど、売却前に登記手続きが必要な場合があります。決済時の所有権移転登記では、買主側・売主側で必要な手続きが異なります。
司法書士へ依頼する報酬、登録免許税、証明書取得等を見積もりで分けます。相続人や共有者が多い、書類が不足している場合は、早めに相談します。
家財整理・遺品整理の費用
家財が残る実家では、売却前にどこまで片付けるかで費用が変わります。すべて空にする前に、不動産会社へ次を聞きます。
- 仲介で内見できる状態はどこまでか
- 業者買取なら家財を残して相談できるか
- 売主が撤去する物と、条件調整できる物は何か
- 引渡しまでに必ず持ち出す重要品は何か
家財が残った実家を片付ける前の確認事項を確認し、通帳、印鑑、契約書、写真等を先に確保します。
遺品整理の見積もりは、間取りだけでなく物量、屋外、搬出条件で変わります。遺品整理の費用相場も参考に、現地見積もりで税込総額を確認してください。
解体費
古い建物を解体して更地で売る場合は、建物本体だけでなく、家財、庭木、塀、地中埋設物、付帯設備、調査等の条件で費用が変わります。自治体の補助制度がある場合も、対象・申請時期・業者要件は地域ごとに異なります。
解体費を先に支払っても、売却価格が同額以上に増える保証はありません。古い実家は解体してから売るかを読み、古家付き査定と更地査定を比べます。
国税庁は、土地等を売るために建物を取り壊した費用が譲渡費用になり得ると案内していますが、維持・管理のための費用とは扱いが異なります。売却との直接関係や必要書類を税務署・税理士へ確認します。
測量・境界・越境対応
土地の境界が不明、面積が登記と合わない、塀や樹木の越境がある場合、測量や隣地との確認が必要になることがあります。すべての売却で確定測量が必須とは限りません。
売却条件、買主の希望、地域慣行、契約上の責任を不動産会社へ聞き、土地家屋調査士の見積もりを取ります。期間も販売計画へ入れます。
修繕・清掃・検査
仲介で売る前に、壁紙、水回り、屋根等を修繕する提案を受けることがあります。工事費をかければ同額以上に高く売れるとは限りません。買主が自分で改修したい場合もあります。
修繕前と修繕後の想定価格、売却期間、工事費を比較します。清掃も、簡易清掃と専門清掃の範囲を分けます。
譲渡所得に関する税
土地・建物を売って利益が出ると、譲渡所得の申告が必要になる場合があります。国税庁は、譲渡価額から取得費と譲渡費用を差し引いて譲渡所得を計算すると案内しています。
取得費が分かる契約書や領収書、仲介手数料、印紙、売却のための測量・解体等の証拠を保管します。固定資産税や通常の維持修繕費は、譲渡費用にならないものとして国税庁が例示しているため、家計上の負担と税計算上の費用を混同しません。
相続した空き家には、一定要件で譲渡所得から控除できる特例がありますが、建築時期、被相続人の居住、売却時期、耐震・除却、売却価格等の条件があります。自動適用ではありません。
売却まで続く維持費
売却費用の見落としになりやすいのが、売れるまでの費用です。
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険等
- 電気・水道等の最低限の契約
- 空き家管理、庭、換気、郵便対応
- 現地へ行く交通・宿泊
- マンションなら管理費・修繕積立金
これらは税務上の譲渡費用と同じとは限りませんが、家族の手取り比較には入れます。仲介で半年待つ案と、買取で早く引き渡す案では、売却価格だけでなく維持期間が違います。
査定会社へ費用表を埋めてもらう
査定前に準備することと合わせ、次の表を会社ごとに作ります。
| 項目 | 仲介案 | 買取案 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 想定売却価格 | 不動産会社 | ||
| 仲介手数料 | 不動産会社 | ||
| 印紙・登記 | 不動産会社・司法書士 | ||
| 家財整理 | 不動産会社・整理業者 | ||
| 解体・測量 | 各専門業者 | ||
| 売却までの維持費 | 家族で計算 | ||
| 譲渡所得の税 | 税務署・税理士 | ||
| 概算手取り | 家族で比較 |
費用を払う前に、二つの売却方法を比べる
相続した実家の費用は、物件ごとに必要な項目が違います。片付け、修繕、解体を先に契約せず、現状のまま仲介と業者買取の査定を取り、必要な作業を確認します。
いえカツLIFEの対象地域では、仲介・業者買取・リースバックに対応する会社の査定を同じ入力から比較できます。査定価格だけでなく、売主負担の費用、売却期間、家財の扱いを聞き、概算手取りで判断しましょう。
参考にした資料(3件)
- 国土交通省『宅地建物取引業者が受けることのできる報酬額』2026年8月10日確認
- 国税庁『譲渡費用となるもの』2026年8月10日確認
- 国税庁『被相続人の居住用財産を売ったときの特例』2026年8月10日確認
税額、仲介手数料上限、特例の適用は売却価格・契約・相続状況・時期等で異なります。見積額や手取りを保証せず、契約前に不動産会社、税務署・税理士、司法書士等へ個別確認してください。